Book Review
新刊のお知らせ
2026年8月16日
土曜の午後、負けた馬の名前を思い出す時間
先週末、福島の第10レースを見ながら、勝った馬ではなく、ゴール前で差し返された二着馬の名前をずっと覚えていました。競馬に限らず、私たちはなぜか、あと一歩届かなかった側の物語を長く記憶しているように思います。
家に帰って開いたのは、平家をテーマにした古い随筆でした。滅びの側にしか描けない美しさというものが、確かにあります。勝ち残る戦略の本も好きですが、負けた側の記録を静かに読む午後は、平日の緊張を少しほどいてくれます。
今週読んだのは3冊。うち1冊は途中で本棚に戻しました。——読み切らなかった本を「失敗」と呼ばない習慣を、私は今年から始めています。