Book review
言い換えで会議が変わる—『話し方で損する人得する人』感想
2026年9月22日

言い換えで会議が変わる——『「話し方」で損する人得する人』から学んだクッション言葉
わたしには、会議中に「でも」から入るクセがあります。
「でもそれは現実的じゃないですよね」「でも前回うまくいかなかったし」——言っている最中から「あ、またやった」と思うんですが、やめられない。
先輩に「ことはさんって否定から入るよね」と笑いながら言われたことがあって、それが地味にずっと引っかかっていました。
今日読んだのは、その悩みにぴたりとはまる本でした。
大野萌子著『「話し方」で損する人得する人』(PHP研究所)。
「言い換え」や「クッション言葉」をテーマにしたコミュニケーション本で、キャリアカウンセラーとして数千人の相談を受けてきた著者が書いた実用書です。タイトルは少しキャッチーですが、内容は地に足がついていて、煽り感がない。そこが好きです。
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本の概要(著者・テーマ)
- 著者:大野萌子(キャリアカウンセラー)
- テーマ:言い換え・クッション言葉・伝え方の工夫
- ねらい:角を立てずに意見を伝えるための具体表現を身につけること
「感じよく、正確に伝える」ための実践的な例が多く、職場の会議やチャット、取引先とのやり取りにすぐ使える内容です。
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この本が教えてくれる3つのこと
① 「でも」より「たしかに」で受け止めてから反論する
本書でわたしがいちばん手が止まったのが、接続詞の話です。著者は「反論するとき、まず相手の話を一度肯定してから続けると、同じ内容でも受け取られ方が変わる」と書いています。
「でも、コストが高すぎます」
↓
「たしかにその機能は魅力的ですね。ただ、予算との兼ね合いで検討が必要で」
内容はほぼ同じなのに、後者のほうが圧倒的に協調的に聞こえる。「たしかに」の一言を挟むだけで、相手は「この人はちゃんと聞いてくれている」と感じる。その余白が、その後の会話を柔らかくする。正直に言うと、読んだその日から試しています。まだ自然にはなっていないけど、意識するだけで違う。
② お願いは「〜してください」より「〜していただけますか」で疑問形に
命令形と疑問形では、受け手のストレスが全然違うと著者は言います。
「資料を明日までに送ってください」より「資料、明日までにいただけますか」のほうが、相手に選択肢がある感じがする。強制でなく依頼に聞こえる。これも地味だけど効く。特に後輩や外部の人へのメッセージで使うようにしたら、返信が早くなった気がします(気のせいかもしれないけど)。
③ 「忙しいですか」より「少しよろしいですか」と先に許可を取る
話しかけるとき、「忙しいですか」と聞くと相手は「忙しい」と答えにくくなる。「少しよろしいですか」と聞くと、NOを言いやすくなる。これは相手への配慮でもあり、自分への返答リスクを下げることにもなる。小さいことのようで、積み重なると「この人は話しかけやすい」という印象に変わっていく、と著者は書いています。
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心に残った一節
「言葉の選び方は、相手への配慮であると同時に、自分の評価を決める」
これはちょっと刺さりました。言葉を選ぶのは、自分のためでもあるんですよね。「感じのいい人」という評価は、能力とは別のところで積み上げられていく。わたしみたいに会議での発言に自信がない人ほど、言い換えの技術で印象を補えるんだと思いました。
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こんな人に薦めたい
- 職場で「否定的に見られているかも」と気になっている人
- 後輩や取引先へのメッセージで、言い方に悩むことが多い人
- 「角を立てずに意見を言う」がなかなかうまくできない20〜30代
話し方の本にありがちな「とにかく笑顔で!」的な根性論はなく、具体的な言い換えパターンが豊富です。読みながらメモしたくなる実用書。
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おわりに
今朝の通勤電車で読み終えて、午後の打ち合わせでさっそく「たしかに」を使ってみました。
一回、うまく言えました。一回は忘れて「でも」と言いました。まあそんなものです。
でも、「意識する」と「しない」では全然違う。こういう小さい改善が積み重なっていくんだと思うと、地味に楽しくなってきます。
『「話し方」で損する人得する人』大野萌子著(PHP研究所)、コミュニケーションに少し疲れている人にこそ読んでほしい一冊です。
