Book review
おなかがすいたら、大丈夫 書評|宮田海斗、眠れない夜の食エッセイ
2026年9月18日
Book Review
おなかがすいたら、大丈夫 書評|宮田海斗、眠れない夜の食エッセイ
『おなかがすいたら、大丈夫』書評|眠れない夜に寄り添う食エッセイ
疲れて帰った夜、なぜか眠れない。おなかがすいているのか、心が満たされていないのか、自分でもよくわからない。冷蔵庫を開けても手が動かず、でも空腹感だけは静かに残っている——そんな夜を過ごしたことがある人に、今日はこの一冊を紹介したいと思います。
本の概要(宮田海斗『おなかがすいたら、大丈夫』とは)
宮田海斗さんの『おなかがすいたら、大丈夫』は、副題に「眠れない夜にそっと寄り添う、食べもののエッセイ32皿」とあるとおり、料理本ではなく「読む本」です。レシピも出てきますが、手順より感情が主役。全32篇が、落ち込んだ夜・くたびれた朝・嬉しかった日といった"心の状態"で章立てされています。
優しさの設計:気分から選べる全32篇
今夜の自分の気分を選ぶだけで、寄り添う一篇にたどり着ける。この設計がとても優しい。
どんな人に刺さるか
- 仕事や人間関係に疲れ、何を食べたいかもわからない夜を過ごす人
- 「ちゃんとしなきゃ」で自分を責めてしまいがちな人
- レシピ本より、読み物として食の話を楽しみたい人
本格的な調理技術を求める人には向きません。でも「食べることで自分をいたわりたい」と思う人には、私が今年読んだ食エッセイのなかで、いちばん夜に似合う一冊でした。
“一行レシピ”がくれる安心感
各篇の末尾には、コンビニや冷蔵庫の残りものでできる"一行レシピ"が添えられています。火を使わなくてもいい。洗い物が増えなくてもいい。「今夜はこれくらいでいい」と、静かに許してくれる。
心に残った一文
——「上手に生きられなくても、うまく眠れなくても、おなかがすいたなら、まだ大丈夫」
この言葉に何か感じるものがあれば、ぜひ手に取ってみてください。一篇は短く、寝る前の数分で読み切れます。読み終えたあと、きっと小さなお湯を沸かしたくなります。
